
日本では「ひと夏のファンタジア」が公開されているチャン・ゴンジェ監督の長編デビュー作。制作費約1億ウォンという低予算で 取り上げた「十八才」は、監督が自身で編集まで直接携わったチャン・ゴンジェのこだわりの塊ともいえる作品だ。撮影したソースをスクリーンに映写するまでの過程で生じるデータの損失を最大限に抑えようと、韓国内で開かれるデジタル映画のセミナーやワークショップのほとんどに参加して研究するなど、2年間にわたって準備した上で撮影を開始。「十八才」、 それはなぜ映画を撮るのかという質問に対するチャン・ゴンジェの答えであり、映画監督としてのスタート地点である。高校2年の冬休みに付き合って100日を記念して旅行に出かけたテフンとミジョン。両親には嘘をつき、韓国の東海岸にある束草(ソクチョ)で二人きりの甘い時間を過ごす。家に戻ったテフンは両親から叱られ、ミジョンの親はテフンとテフンの両親を家に呼びつけ、「大学に入るまでは会わない」と誓約書を書かせる。ミジョンへの気持ちを抑えきれないテフンは、なんとかミジョンと会おうとするが、ミジョンのほうはテフンを避けるようになっていき……。