
鳴海章による同名小説を映画化。阪本順治監督作品で知られる椎井友紀子がプロデューサーを務めた。また、「鮫肌男と桃尻娘」などで知られた町田博はCMでのタッグを経て、初の相米監督映画のカメラマンに。脇には、鶴見辰吾、尾美としのり、寺田農、木之元亮、笑福亭鶴瓶、柄本明と相米映画OBがずらりと登場。小泉今日子と浅野忠信は初の相米映画出演となった。本作は2001年の1月に公開。相米慎二は同年9月9日に死去。本作が遺作となった。故郷・北海道に残したひとり娘の香織に5年ぶりに会いに行く風俗嬢のレモン。泥酔しコンビニで万引きをしたことから自宅謹慎を命じられている高級官僚の廉司。廉司は酔った勢いからレモンの北海道への旅につきあうことになり、ふたりのぎくしゃくとしたドライブがはじまった。だが実家に着くと、義父の「東京で何をしているか知らない訳じゃない。娘の香織のためにも会わすわけにはいかない」という言葉に返すすべもなく、実家を後にする。廉司には上司からの一方的な解雇通告が。行き場をなくしたふたりは雪の残る山奥へと向かっていく……。s