A PEOPLE CINEMA(エーピープルシネマ)

映画監督チャン・ゴンジェ
時の記憶と物語の狭間で

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最新作「ケナは韓国が嫌いで」が公開となったチャン・ゴンジェ監督。09年に発表した「十八才」はロッテルダム、香港など12を超える国際映画祭に招待された。それまでにない感覚を持つ新世代の監督の誕生は、韓国のインディペンデント映画界におけるひとつの“事件”となった。第3作「ひと夏のファンタジア」(14)は、韓国でインディペンデント映画としては異例の3万人以上の観客を集め、チャン・ゴンジェ監督への注目度もアップ。「十八才」、第2作「眠れぬ夜」で撮られたのは“自分自身”ということ。「十八才」では自分自身をモデルとし、「眠れぬ夜」では30代だった自分と妻の関係に目を向けた。
「ひと夏のファンタジア」では、モノクロとカラー、ノンフィクションとフィクションの融合という新たな形式を生み出し、映画は幻想性を纏った。その手法は2時間の間に演劇を入れ込むことで主人公の現在と夫婦の過去を並行して描いた「5時から7時までのジュヒ」にも表れている。俳優、撮影、監督、プロデューサーと、様々な立場で映画にかかわってきたチャン・ゴンジェ。現在の彼は「プロフェッショナルとしていい作品を作りたいという気持ちが強い」と語る。もちろん、彼はすでにデビュー作「十八才」から、独自の美学とリズムを持った映画監督であり、恋愛と結婚という普遍的なテーマを、リアルでありながらも幻想的な手法で見せてきた。最新作の「ケナは韓国が嫌いで」は23年の釜山国際映画祭のオープニングを飾るなど、インディペンデント作家のトップランナーとして、キャリアの可能性を開拓し続けている。今回、その軌跡が日本ではじめて辿られる。

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<上映作品>

  • 十八才
  • 眠れぬ夜
  • ひと夏のファンタジア
  • 5時から7時までのジュヒ

開催:2025年3月7日(金)~3月27日(木)
ユーロスペース(その後、横浜シネマリン、ストレンジャーなどで上映)
主催:A PEOPLE

公式サイト
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