カンウォンドのチカラ

ホン・サンス監督の長篇第2作で、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。小説を原作としたデビュー作と違い、自らの着想から始まったオリジナル作品というという点でも、現在に至るホン・サンス映画の原点と言える作品。同じ時に同じ場所を訪れていながらまったく出会うことのない元恋人同士が経験する、似ているようで微妙に違う出来事と心の変化を2部形式でディテール豊かに見せるという構成が見るものを驚かせ、韓国で最も権威のある映画賞と言われる青龍映画賞で監督賞と脚本賞の2冠に輝いた。ただどうしようもなく誰かを求めてしまう女と男を演じたのは、「秘蜜」のオ・ユノンと「私の頭の中の消しゴム」のペク・チョンハク。