相米慎二

企画・主催 A PEOPLE

A PEOPLE CINEMA 配給作品「台北暮色」「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」「あなたを、想う。
作家主義 ホン・サンス「カンウォンドのチカラ」「オー!スジョン」

TRAILER

NEWS

京都みなみ会館 上映決定 1/7(金)~

下高井戸シネマ「作家主義 相米慎二」トークイベント開催

大分 日田リベルテ 上映決定

書籍「相米慎二 最低な日々」発売決定

A PEOPLE「映画監督 相米慎二」を熱く、深く伝える。

金原由佳トークイベント映像配信販売開始

A PEOPLE「映画監督 相米慎二」映画ジャーナリスト金原由佳トークイベント映像配信

A PEOPLE 作家主義 相米慎二 相田冬二・対談


INTRODUCTION

いま、作家・相米慎二が、ここにいる。

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが発生。その2日前、9月9日、映画監督・相米慎二が逝った。あれから20年──。

その世界的な評価は遅れていると言われていたが、2012年にナント映画祭(フランス)、エディンバラ映画祭(イギリス)、パリシネマテーク(フランス)、2015年にはフランクフルト映画祭(ドイツ)などで、次々とレトロスペクティブが行われた。

2005年、全州(チョンジュ)映画祭(韓国)で行われた回顧上映で衝撃が流れた。そして、2021年、アジアでの再評価の波が来る。韓国映画「はちどり」は、本国はもちろん日本でも異例のヒットを記録。数年前には、台湾のエドワード・ヤン「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」のリバイバルが大成功を収めた。デジタルの時代、コロナ禍の時代、新たな映画の方法が求められている。アジア映画がもつ、荒々しさ、凶暴性。それを考えたとき、作家・相米慎二という名前が浮かぶ。アジアの作家や俳優、評論家がいま、相米慎二を改めて発見しようとしている。今回の特集上映は作家・相米慎二をアジアと結ぶ端緒となる試み。

期間中には、アジアの監督らとのオンライントークを実施。もちろん、相米映画を知る日本の関係者のトークショーも予定している。

いま、日本に相米慎二のような作家は存在しているのだろうか。その、荒々しさ。その、深さ。その、美しさ。その、真実。

「作家主義 相米慎二」

80年代を生きた獰猛さ。アイドル映画という枠組みを超え、その過剰なまでの演出を突き詰めた。90年代を生きた繊細さ。ミュージカル的な世界観の導入。自己の集大成と、新たなる変化への挑戦。そして、2001年(21世紀)に結果として残した、たった一本の別れの挨拶。

2021年2月に行われた渋谷・ユーロスペースでの上映はコロナ禍にも関わらず、たいへんな動員を記録した。過去の相米レトロスペクティブと異なるのは、若い観客が多かったこと、女性観客が多かったことだ。好評を受け、7月には横浜シネマリンでも開催。相米慎二の命日である9月9日以降、「没後20年 作家主義 相米慎二」は全国へと展開していく。セレクトでの上映展開も行っていく。9月9日発刊の相米慎二初となる著書「相米慎二 最低な日々」と共に、相米が大好きだった祭りは続いていく。

PROFILE

相米慎二

写真 佐野 篤

相米慎二

1948年1月13日、岩手県盛岡市で生まれた。父親の転勤で6歳の時に北海道標茶町に転居し、1958年に父親を失う。その後小学校5年の時に札幌市、中学3年の時に釧路市に移る。北海道釧路江南高等学校を卒業し、中央大学文学部に進学、1972年同大を中退、長谷川和彦の口利きで契約助監督として日活撮影所に入所した。長谷川や曽根中生、寺山修司の元で主にロマンポルノの助監督を務めた。助監督時代には杉田二郎のペンネームも用いている。1976年にフリーランスとなる。

1980年、薬師丸ひろ子主演の「翔んだカップル」で映画監督としてデビューした。翌1981年、「セーラー服と機関銃」で興行的な成功を収めた。1982年6月、長谷川和彦、根岸吉太郎、黒沢清ら若手監督9人による企画・制作会社「ディレクターズ・カンパニー」(ディレカン)を設立。1983年には吉村昭原作の「魚影の群れ」を発表。1985年の「台風クラブ」は第1回東京国際映画祭(ヤングシネマ)でグランプリを受賞し、キネマ旬報「オールタイムベスト・ベスト100」日本映画編(1999年版)の55位にランクインしている。同年、斉藤由貴の映画デビュー作となった「雪の断章―情熱―」を監督した。また、同年のロマンポルノ作品「ラブホテル」は大きな反響を呼んだ。

その後、1993年の「お引越し」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。同作は第46回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品された。翌1994年には湯本香樹実原作の「夏の庭 The Friends」を発表。湯本に原作小説を執筆するように勧めたのも相米監督であった。1998年の「あ、春」は1999年度キネマ旬報ベストテンの第1位に選出されたほか、第49回ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した。2001年、小泉今日子主演の「風花」を発表。一方で、1985年より数々のCMの演出を手がけ、また1991年と1993年には三枝成彰作曲のオペラ「千の記憶の物語」の演出を担当している。

2001年10月には舞台初演出となる「Defiled」の上演、また翌2002年には自身初の時代劇での監督作品となる浅田次郎原作の「壬生義士伝」の映画化作品のクランクインを予定していたが、2001年6月、体調不良のため病院で検査を受けて肺癌を告知され、同年8月中旬より療養生活を送り、同年9月5日に容体が急変して9月9日16時10分に神奈川県伊勢原市の病院で死去した。53歳没。同年1月公開の「風花」が遺作となった。葬儀は9月14日に築地本願寺にて営まれた。

没後は青森県三戸郡田子町相米地区にある先祖代々の墓に埋葬され、同地区には「相米慎二慰霊碑」が建立された。2014年から、田子町の主催により「相米慎二監督映画祭り」が開催されている。

FILMS

1980 翔んだカップル

製作:キティフィルム 配給:東宝
原作:柳沢きみお
脚本:丸山昇一
撮影:水野尾信正
照明:野口素胖
出演:鶴見辰吾、薬師丸ひろ子、尾美としのり、石原真理子
(1980年7月26日公開/122分)

ひとつ屋根の下で暮らすことになった高校生のふたり。相米慎二のデビュー作であると共に、独自の長回しに注目が。“集中力”などの名ワード、“もぐら叩き”などの名シーンが印象に残る。今回上映されるのは、いわゆる<オリジナル版>。劇場初公開版(106分)より長尺となる。


©︎ KADOKAWA 1981

1981 セーラー服と機関銃

製作:角川書店、キティ・フィルム 配給:東映
原作:赤川次郎
脚本:田中陽造
撮影:仙元誠三
照明:熊谷秀夫
出演:薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦、風祭ゆき、大門正明、林家しん平、酒井敏也
(1981年12月19日公開/112分)

突然、やくざの組長になってしまった女子高生。クレーンで吊るされるヒロイン、語り継がれるバイクの長回しシーンなど、アイドル映画という枠組みを超えた超絶演出の数々。相米映画史上最高のヒット作となった。今回上映されるのは初公開時のいわゆる<通常版>。ほかに<完璧版>(131分)がある。


©︎ 1983 kittyfilm

1983 ションベン・ライダー

製作:キティ・フィルム 配給:東宝
原案:レナード・シュレイダー
脚本:西岡琢也、チエコ・シュレイダー
撮影:田村正毅、伊藤昭裕
照明:熊谷秀夫
出演:藤竜也、河合美智子、永瀬正敏、鈴木吉和、坂上忍
(1983年2月11日公開/118分)

レナード・シュレイダーの原案を脚本化。目の前で誘拐されたガキ大将を追う三人組。「セーラー服」の興行的成功からより過剰な方向へ舵を切った。途中で衣装まで入れ変えてしまう三人組。壮絶な貯木場のシーンはあまりにも有名。


©︎ 1983松竹株式会社

1983 魚影の群れ

製作:松竹 配給:松竹富士
原作:吉村昭
脚本:田中陽造
撮影:長沼六男
照明:熊谷秀夫
出演:緒方拳、夏目雅子、十朱幸代、佐藤浩市
(1983年10月29日公開/140分)

吉村昭の同名小説を映画化。少年少女を描いてきた相米が“大人の映画”に挑んだ。ベテラン漁師と娘、彼女に想いを寄せる青年。かかった“まぐろ”と格闘する緒形拳、その後ろにいる佐藤浩市、映像の極限へ。夏目雅子の美しさが印象に残る。


©︎ 日活

1985 ラブホテル

製作:ディレクターズ・カンパニー 配給:にっかつ
脚本:石井隆
撮影:篠田昇
照明:熊谷秀夫
出演:速水典子、寺田農、志水季里子
(1985年8月3日公開/88分)

相米が念願の“にっかつロマンポルノ”に挑戦。2年前に出逢ったホテトル嬢と再会した男。後に岩井俊二作品で知られる篠田昇の第1作。山口百恵「夜へ」、もんた&ブラザーズ「赤いアンブレラ」など挿入される歌が鮮烈なイメージを与える。


©︎ ディレクターズカンパニー

1985 台風クラブ

製作:ディレクターズ・カンパニー 配給:東宝、ATG
脚本:加藤祐司
撮影:伊藤昭裕
照明:島田忠昭
出演:三上祐一、紅林茂、松永敏行、工藤夕貴、大西結花、金沢朋子、三浦友和
(1985年8月31日公開/115分)

東京国際映画祭・ヤングシネマグランプリ作品。審査委員長、ベルナルド・ベルトリッチが絶賛。台風の日の校舎に閉じ込められた少年と少女。三浦友和が当時のイメージを大きく変えた作品としても印象的。


1985 雪の断章 ―情熱―

製作:東宝映画 配給:東宝
原作:佐々木丸美
脚本:田中陽造
撮影:五十畑幸勇
照明:熊谷秀夫
出演:斉藤由貴、榎木孝明、岡本舞、レオナルド熊、世良公則
(1985年12月21日公開/100分)

佐々木丸美の「孤児4部作」の1作目の映画化。斉藤由貴の映画デビュー作。さまよっていたみなし子と、保護した男、それから10年後。冒頭の長回しシーンは相米の長回しの中でも想像を絶する長さと凄さ。1984年「Wの悲劇」に続いた俳優・世良公則の存在感。


©︎ 1987 ヤングシネマ’85共同事業体/角川映画

1987 光る女

製作:ヤングシネマ’85共同事業体、大映、ディレクターズ・カンパニー
配給:東宝
原作:小檜山博
脚本:田中陽造
撮影:長沼六男
照明:熊谷秀夫
出演:武藤敬司、安田成美、秋吉満ちる、出門英、すまけい
(1987年10月24日公開/118分)

小檜山博の同名小説を映画化。北海道から上京した野人のような青年が、オペラ歌手の女と出逢う。後に「千の記憶の物語」でオペラを演出することになる相米。その新たな創造的な世界観が現れた一作。47分に及ぶ未公開シーンを追加収録した<デラックス版>がDVD化されている。


©︎ 1990イール・トウェンティワン/バンダイビジュアル/松竹

1990 東京上空いらっしゃいませ

製作:ディレクターズ・カンパニー、バンダイ、松竹第一興行 
配給:松竹
脚本:榎祐平(榎望)
撮影:稲垣涌三
照明:熊谷秀夫
出演:中井貴一、牧瀬里穂、笑福亭鶴瓶、毬谷友子
(1990年6月9日公開/109分)

牧瀬里穂のデビュー作。CMのキャンペーンガールに抜擢された少女が事故で死亡。しかし、死神を言いくるめて、少女は地上に戻る。「帰れない二人」のリフレインと終盤のミュージカル的場面が涙を誘う。


©︎ 1993 読売テレビ放送株式会社

1993 お引越し

製作:讀賣テレビ放送
配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画、アルゴプロジェクト
原作:ひこ・田中
脚本:奥寺佐渡子、小此木聡
撮影監督:栗田豊通
照明:黒田紀彦
出演:中井貴一、桜田淳子、田畑智子
(1993年3月20日公開/124分)

ひこ・田中の同名児童文学を映画化。不安定な父母にはさまれた少女、その道行。少女が大人になる「おめでとうございます」のセリフが感動的。国内での評価を高めた一作で、集大成的な作品ともといえる。


©︎ 1994 読売テレビ放送株式会社

1994 夏の庭 The Friends

製作:讀賣テレビ放送
配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画
原作:湯本香樹実
脚本:田中陽造
撮影:篠田昇
照明:熊谷秀夫、上田なりゆき
出演:三國連太郎、坂田直樹、王泰貴、牧野憲一、戸田菜穂
(1994年/113分)

湯本香樹実の同名小説を映画化。サッカー少年3人組が死を目撃したいと思い、老人の観察をはじめる。相米が新たなフェーズに挑戦したといえるテイスト。湯本に原作小説を執筆するように勧めたのも相米監督であった。


©︎ 1998トラム/松竹/衛星劇場

1998 あ、春

製作:トラム、松竹、衛星劇場 配給:松竹
原作:村上政彦
脚本:中島丈博
撮影:長沼六男
照明:熊谷秀夫
出演:佐藤浩市、斉藤由貴、富司純子、藤村志保、山崎努
(1998年12月19日公開/100分)

村上政彦の原作「ナイスボール」を中島丈博が脚本化。昔、死別したと聞かされていた父が現れ、一緒に暮らす一家。相米オールスターズの競演。キネ旬第1位を獲得、ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した。


2001 風花

製作:ビーワイルド、テレビ朝日、TOKYO FM
配給:シネカノン
原作:鳴海章
脚本:森らいみ
撮影:町田博
照明:木村太朗
出演:小泉今日子、浅野忠信、尾美としのり、鶴見辰吾、柄本明、笑福亭鶴瓶
(2001年1月27日公開/116分)

鳴海章の同名小説を映画化。若手官僚とピンサロ嬢の出逢い。女の故郷、北海道へとふたりは旅へ出る。本作公開後の9月9日、相米が死去。遺作となった。企画の発案は、相米本人からのものだったという。


SCHEDULE

終了しました

京都みなみ会館 https://kyoto-minamikaikan.jp/
・1/7(金)~未定 「ションベン・ライダー」「台風クラブ」

大分 日田リベルテ http://liberte.main.jp/index.html
・12/25(土)~1/3(月) 「風花」
・1/4(火)~1/14(金) 「台風クラブ」
・1/15(土)~1/23(日) 「ションベン・ライダー」

下高井戸シネマ http://www.shimotakaidocinema.com/
・12月18日(土)~30日(木) 「翔んだカップル」「セーラー服と機関銃」「ションベン・ライダー」「魚影の群れ」「台風クラブ」「雪の断章―情熱―」「東京上空いらっしゃいませ」「お引越し」「夏の庭 The Friends」「あ、春」「風花」

松本市民芸術館小ホール https://www.cinema-select.com/
・11月28日(日) 「台風クラブ」

大阪 シネ・ヌーヴォ http://www.cinenouveau.com/
・12月4日(土)~12月10日(金)「台風クラブ」「ションベン・ライダー」「風花」

名古屋シネマテーク http://cineaste.jp/
・11月20日(土)~11月26日(金)「台風クラブ」「風花」「ションベン・ライダー」

長野県・上田映劇 http://www.uedaeigeki.com/
・11/6(土)~11/19(金) 「台風クラブ」「ションベン・ライダー」「風花」「東京上空いらっしゃいませ」

アップリンク京都 https://kyoto.uplink.co.jp/
・10月22日(土)~11月4日(木)「台風クラブ」「ションベン・ライダー」

渋谷・ユーロスペース http://www.eurospace.co.jp/
・9/11(土)~9/17(金) 「台風クラブ」

富山県・ほとり座 https://hotori.jp/
・9/4(土)~9/10(金) 「台風クラブ」
・9/11(土)~9/17(金) 「ションベン・ライダー」
・9/18(土)~9/24(金) 「風花」

※コロナ禍など社会状況により、やむを得ず番組編成が中止、変更になる場合があります。予めご理解いただきますようお願い申し上げます。

EVENT

終了しました

「ションベン・ライダー」河合美智子
「台風クラブ」大西結花が登壇

横浜、京都、大阪など全国を回り、12月18日(土)より東京へ戻り、下高井戸シネマでの上映とイベントが決定した。下高井戸シネマでは「翔んだカップル」「セーラー服と機関銃」「ションベン・ライダー」「魚影の群れ」「台風クラブ」「雪の断章―情熱―」「東京上空いらっしゃいませ」「お引越し」「夏の庭」「あ、春」「風花」と、実に11作品上映という充実の内容となる。初日・2日目にはゲストによるトークイベントが決定。12月18日(土)には、相米の神話的な作品「ションベン・ライダー」の河合美智子。12月19日(日)相米のレジェンド的な作品「台風クラブ」の大西結花が登場。ふたりは、相米の印象を次のように語る。

河合美智子

「相米さんはテストを何回も何回もやりますけど、それによって余計なものが削ぎ取られていって、で、次が一番いいというのがわかる感覚が凄い!」
(書籍「相米慎二という未来」より)

大西結花

「監督のことで覚えているのは、だいたいいつも同じ表情だったことです。だいたいムスッとしていて目を開いているのか開いていないのかわからない感じで現場を見てるんです」
(書籍「相米慎二という未来」より)

「ションベン・ライダー」の伝説のファーストシーンや貯木場での疾走は、どのように生まれたのか? 「台風クラブ」の裸で踊り狂うあの少年少女たちのカットの裏側は。いま、河合美智子、大西結花、相米映画を代表するヒロインが語る。

また、12月24日(金)、12月27日(月)には、書籍「相米慎二という未来」「相米慎二 最低な日々」の編集を手掛けた「A PEOPLE」編集長・小林淳一のトークイベントも実施される。

今回、上映される全11作品の上映スケジュールも発表された。会期中のお得な【回数券:5回券】、トークイベントが見られる【ゲスト登壇の前売り券(12月18日・河合美智子、12月19日・大西結花)】もローソンチケットで発売中。

●下高井戸シネマ「作家主義 相米慎二」トークイベント 

12月18日(土)「ションベン・ライダー」13:10の回上映後
ゲスト:河合美智子 司会:金原由佳

12月19日(日)「台風クラブ」13:10の回上映後
ゲスト:大西結花 司会:金原由佳

12月24日(金)「東京上空いらっしゃいませ」15:30の回上映後
ゲスト:小林淳一(A PEOPLE編集長)「相米慎二という未来」「相米慎二 最低な日々」編集

12月27日(月)「翔んだカップル」16:45の回上映後
ゲスト:小林淳一(A PEOPLE編集長)「相米慎二という未来」「相米慎二 最低な日々」編集


没後20年。9月9日の命日に、映画監督・相米慎二、幻のエッセイが出版化
「相米慎二 最低な日々」

相米監督は1994年から1995年にかけて月刊誌でエッセイを連載していました。もはやファンの間でも幻となっていたそのエッセイが、27年の時を超えて、2021年の現代に蘇えります。発売は、相米慎二監督の命日である9月9日。生きていられれば73歳でした。本書「相米慎二 最低な日々」はご自身初の著作となります。その内容は、相米慎二監督のファンなら頷ける世界観であると共に、時にその次元を超えた摩訶不思議な相米慎二ワールドが展開しています。「あとがきにかえて」ということで、「あとがき」は俳優の永瀬正敏が担当。本書のことはもちろん、「ションベン・ライダー」での出逢いからの日々とその想いを綴ってくれます。

永瀬正敏(本書「あとがきにかえて」から抜粋)
「僕と相米のオヤジ(僕はいつの頃からか彼をオヤジと呼んでいたので、以下その呼称で続ける)の関係性は、映画監督と一俳優というものをはるかに超えていて、本当の血縁関係における父と息子のようなものだった(と勝手に思っている)。だから、息子側としては同性の親にまつわるこっぱずかしさが常にあり、会うと八割は不真面目な言葉を投げあった。ただ、ふとした瞬間にオヤジから出てくる重い言葉が会話の一割、二割あり、結局それが今でもずっと僕の心の中に重く残っている。彼の残したエッセイと一緒。どうでもいいことを書き連ねているんだけど、ラストの締めの一文に親父の強い感情が凝縮されていて、その情景が強く浮かんでくる」
さらに、映画ジャーナリスト・金原由佳がインタビューした貴重な原稿を再録。「相米慎二、自作を語る。」は助監督時代の作品、そして、デビュー作「翔んだカップル」から「夏の庭The Friends」までを語りつくしています。「相米慎二に訊く50の質問。」は当時の相米慎二の生の姿を伝える一問一答集。相米慎二を過去の監督としてではなく、現代の作家として、未来の作家として、語っていきましょう。そのとき、本書「相米慎二 最低な日々」は最良のテキストとなるはずです。

「相米慎二 最低な日々」(著者:相米慎二)
9月9日(木)発売開始
定価:2,750円(税込み)
書店及びネット書店、「相米慎二」特集上映の劇場にて販売
amazon
発行:A PEOPLE株式会社


「映画監督 相米慎二」
映画ジャーナリスト金原由佳 トークイベント映像配信

渋谷・ユーロスペースで2月に行われた「没後20年 作家主義 相米慎二 アジアが見た、その映像世界」。新たなファンも獲得し、好評のうちに閉幕。上映期間中は、永瀬正敏、佐藤浩市らを招いたオンライントークイベントを実施した。今回、上映は終了したが、アーカイブ映像配信でスペシャル・イベントを行う。
語り部は、映画ジャーナリストの金原由佳。相米慎二映画の「夏の庭」「あ、春」の現場に密着。以降、公私にわたって言葉を聞き続けた言わば書生の目線から、“映画作家・ 相米慎二”の普段着の姿と言葉を伝えていく。
ゲストには相米映画の助手(「夏の庭」撮影助手)を務め、現在は、ポン・ジュノ、行定勲、白石和彌 、清水祟など多数の作品の撮影をてがける福本淳が登場。「夏の庭」はもちろん、すべての相米映画を観つくした福本に金原が、その撮影の秘密を聞きつくす。それでもわからないあの映画のあのシーン、謎の数々。その対談は、スリリングに展開していく。
カメラオフの「映画監督 相米慎二」を見て、聞いて、感じてほしい。

金原由佳プロフィール
映画ジャーナリスト/兵庫県神戸市出身。関西学院大学卒業後、金融業界を経て映画業界に。約30年で1000人以上の映画監督や映画俳優のインタビューを実施。現在、『キネマ旬報』ほかの映画誌、劇場パンフレット、朝日新聞、『母の友』(福音館書店)などで映画評を執筆。著書に『ブロークン・ガール 美しくこわすガールたち』(フィルムアート社)、共著に『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』(スペースシャワーネットワーク)。相米慎二没後20周年特集のトークイベントなど講演・司会も多数。

福本淳プロフィール
篠田昇の助手時代、相米慎二の「お引越し」、明治記念館のPV、「夏の庭 The Friends」に参加。1999年から54作もの映画を手掛ける。代表作に行定勲監督の「ひまわり」「きょうのできごと」「今度は愛妻家」「ナラタージュ」、松尾スズキ監督の「恋の門」、清水祟史監督の「ラビットホラー3D」「犬鳴村」「樹海村」、板尾創路監督の「火花」、白石和彌監督の「凪待ち」など。ポン・ジュノ監督の「TOKYO!」の撮影も手がけている。今回の相米上映では全作品を鑑賞。

なお、このイベントと併せて
ユーロススペースでの「没後20年 作家主義 相米慎二 ~アジアが見た、その映像世界」期間中に行われた「イベントアーカイブ映像配信」も再配信!前回、見逃した方はぜひ、この機会を利用くださるようお願いいたします。
出演者:永瀬正敏/鶴見辰吾/寺田農/ホアン・シー(台湾・監督)/ユン・ダンビ(韓国・監督)/尾美としのり/佐藤浩市


*パンフレットに誤りがありました。以下の通り、修正させていただきます。

「没後20年 作家主義 相米慎二 〜アジアが見た、その映像世界」パンフレット
正誤表

P15 3段 2行・5行 (誤)山﨑→(正)山崎
P31 2段 10行 (誤)田中陽三→(正)田中陽造
P32 3段 5行 (誤)山﨑→(正)山崎

関係者の皆様に深くお詫びするとともに、ここに訂正させていただきます。

A PEOPLE CINEMA