*

パク・ヘイル × シン・ミナ
「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」の軌跡 ⑤
パク・ヘイル「モダンボーイ」

パク・ヘイルがタイトルロールを演じる人間ドラマ。

具体的には、1937年を背景に朝鮮総督府の書記官を演じているのだが、その書記官が当世流行の出で立ちをしている。よくいえばファッション的に先進的、悪くいえばカッコつけている裕福なチャラ男。女の子にワーキャー言われて酔っているスチャラカ役人である。でも、それは「なり」だけで、中身はプレイボーイから程遠い純情男という点がミソ。
 その主人公イ・ヘミョン(パク・ヘイル)が友人の日本人検事・晋介(キム・ナムギル)とクラブに遊びに行って、女性歌手/ダンサーのチョ・ナンシル(キム・ヘス)に一目惚れする。彼女を追いかけ回すと、その正体は朝鮮独立運動家の一味だったというお話。
 やや巻き毛ルックのパク・ヘイルは慌ただしい朝の身支度からまもなく、白スーツ&白ハットでキメて出てくる。表情もサッパリさわやか。それ以上に、歯が白い。まぶしい。
「僕が開発しているのはロマンにあふれる街」「女と電車がなくて生きられるか」などと、当初のヘミョンの言葉は軽薄極まりない。それが物語の深刻化とともに、どんどんパク・ヘイルのモダンぶりが稀薄になっていくあたりが見もの。戦争のきな臭い空気が前面にあふれ出し、顔つきも自ずとりりしくなる。導入部分の呑気な雰囲気からの落差は凄まじく、それが劇的に感じられる向きにはヘミョンの一途ぶりにも無理は感じないはず。
 パク・ヘイル、この劇場公開時31歳。依然、坊ちゃん顔で、姉さん風女優とのロマンスが画的に似合ってしまっているのだが、20代前半頃の田舎のかわいい兄ちゃんという印象はかなり小さい。

文:賀来タクト


「モダンボーイ」(2008)
監督:チョン・ジウ
出演:パク・ヘイル/キム・ヘス/キム・ナムギル/キム・ジュンベ/キム・ヨンジェ

「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」公式サイト


[関連記事]
パク・ヘイル × シン・ミナ「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」の軌跡

パク・ヘイル 第1回「グエムル 漢江の怪物」
パク・ヘイル 第2回「殺人の追憶」
パク・ヘイル 第3回「菊花の香り 世界でいちばん愛されたひと」
パク・ヘイル 第4回「初恋のアルバム 人魚姫のいた島」
パク・ヘイル 第5回「モダンボーイ」
パク・ヘイル 第6回「10億」
パク・ヘイル 第7回「神弓 –KAMIYUMI-」
パク・ヘイル 第8回「天命の城」

シン・ミナ 第1回「火山高」
シン・ミナ 第2回「美しき日々」
シン・ミナ 第3回「甘い生活」
シン・ミナ 第4回「Sad Movie〈サッド・ムービー〉」
シン・ミナ 第5回「今、このままがいい」
シン・ミナ 第6回「10億」
シン・ミナ 第7回「キッチン ~3人のレシピ~」
シン・ミナ 第8回「アラン使徒伝(サトデン)」

A PEOPLE CINEMA第2弾「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」
レビュー「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」
「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」 A PEOPLE TALK LIVE
PEOPLE / イ・ジュンドン
PEOPLE / チャン・リュル
チョン・ウンスク「慶州(キョンジュ)」映画紀行 第1回「慶州」という街